2001.10.1.
吉村洋介

気体・液体・蒸気、そして・・・

気体 gas ・液体 liquid ・固体 solid という「物質の3態」は小学校でも習います。

けれどもこの中の、気体 gas と液体 liquid という流体 fluid の区別は、そんなに簡単ではありません。 また他に蒸気 vapor という言葉も使われますが、それぞれどういう関係にあるのでしょう? さらに言えば、そうした区別を立てること自体に、さしたる意味がないかもしれないのです。

こうした問題には、100年以上前から、さまざまな実験や深い洞察が加えられて、今日も化学工学などの分野で脈々と研究が続けられています。 しかし残念ながら、そうした研究の営みの深さや広がりが、他の分野の人びとに余りに知られていないようです。 そしてその断絶が、「超臨界流体」 supercritical fluid なるものをしたり顔に触れ回るような、見掛け倒しの議論が跋扈する結果を招いているように思われます。 ここでは少しこの問題について考えます。


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