職組本部書記次長の地鉱の入野さんは、さる12月4日の中央行動に行ってこられました。「いちょう」では、入野さんから、中央行動の様子について、一文を寄せていただきました。本部で組合活動に尽力しておられる入野さんの、ある日の点描というところでしょうか。
12月4日(木)、全国大学高専教職員組合(全大教)中央行動に伊藤書記長と参加しました。この行動は、予算編成期にあたり「独立行政法人化」問題や教職員の待遇改善・地位確立をはかることをめざして関係機関への要請行動でした。
この日、冷え込みがきつく身体は少々熱っぽく、朝起きるのも辛いでしたが午前6時に起床し京都駅へ。午前7時44分発の新幹線で、一路東京に向かいました。途中の近江八幡付近ではうっすらと雪化粧、それが彦根に近づくにつれ積雪の量も増え、車窓から見る風景は格別のものがありました。見とれているうちに、うとうととしてしまい何時の間にか東京に着いていました。
午前中に大蔵大臣宛に「98年度予算編成にあたっての要望書」を提出。文部大臣宛には「事務職員の労働条件等の改善に関する要望書」を含む各職種(図書館職員・現業職員・演習林に勤務する職員・共同利用機関に勤務する職員・病院職員等)の要望書を提出しました。
午後から、参加者は4つ班に分かれ総務庁と各政党へ要請行動を行いました。私の班は6人(全大教、北大、金沢大、米子高専、東大、京大)で議員会館へ民主党と共産党にいきました。
民主党では政策調査会の内田さんが応対してくれました。時間が30分ということで各大学の深刻な状況を述べ、ぜひ増員と増額を要求してほしいと訴えました。国立大学の独立行政法人化問題で、民主党としてどのような議論をしているのかと質問したところ「エージェンシー化問題は議論がしきれていない」「教育政策は現在、まとめている最中である」との返事でした。民主党には元日教組の議員がいるのに、こんな返事しか出来ないものかとがっかりさせられました。
共産党では山原議員、石井議員が応対しました。民主党と同じく大学の状況を訴え是非国会で取り上げて、大学への増員・増額を要請しました。これに対して両議員は、「この間、京大・愛知教育大・東北大の学長と会談してきて、大変な状況であることは認識している」「文教委員会で大学の現状を共通認識にする必要がある」「決算委員会で大学問題だけのテーマで議論していきたい」「定員削減で労働強化になっいる問題について各大学の具体的な資料がほしい」と述べました。
要請行動が終わり午後3時過ぎに、次の集会に参加するため、議員会館を出ますと異様な光景が目に写りました。というのも予算編成のこの時期、地元国会議員に少しでもお金をつけてもらおうと陳情に来ている姿です。それもバスで乗り着け、○○県○○協とか○○県○○会等の旗を持ち団体で来ているのです。人数の多いところでは、バス2台で陳情に来ていました。だから、議員会館の周辺は人、人、人で歩くのも困難でした。この姿は、まさに選挙の一票、一票に結びついているんだなあーと恐ろしくなり、急ぎ足でその場を後にしました。
次の会場、日本私立大学教職員組合連合(私大教連)との合同集会(12・4任期制・「行財政改革」問題大学人集会)に到着したときは、主催者のあいさつと特別報告が終わっていました。その後、いくつかの大学から報告がありました。
宮崎国際大学では、「任期制」法とは関係なしにすでに、一般教員の任期は2年で1年が経過すると、その時点で後の1年を教員個人が大学と契約しています。役職に就いている教員ですら4年または6年の任期だそうです。また先月「財政構造改革」法が通りましたが、日本福祉大学では、私学助成の大幅削減に反対する運動を、組合、理事会、教授会、学生自治会、生協が一体となって取り組みをした貴重な経験を報告されました。予算編成期の重要な時に、私学と共同で集会を開いたことは意義があり、今後このような取り組みが必要になるのではないかと思いました。
帰りは、東京駅午後8時49分発の新幹線、新大阪行に乗車しました。風邪を引いていたせいもあって、乗車するとすぐに寝込んでしまい、車内放送の「新大阪・新大阪」で目が覚め、案の定乗り越してしまいました。新大阪で降ろされ、快速電車で京都に戻りましたが、もう近鉄奈良線の最終はありませんでした。しかたなく、京都駅からタクシーに乗り帰宅しました。時計の針は午前1時を回っていました。
なにはともあれ、長い長い一日でした。