昨年12月に職組に加入された、物2の舟橋春彦さんから、挨拶が届いています。
御挨拶が遅れ済みません。
昨年11月より京都大学大学院理学研究科助手に着任しました舟橋春彦と申します、今後とも宜しくお願い致します。
私の所属する物理学・宇宙物理学専攻の物理学第2教室は原子核/素粒子/宇宙線の理論的/実験的研究を推めています。私はつくば学園都市の高エネルギー物理学研究所にある陽子加速器を用いた素粒子実験で産湯を使い、物心ついてからは専ら京大原子炉や茨城県東海村の原研研究炉で、低エネルギーに冷やした中性子の干渉実験を通じ基礎物理をやらんと目論んでおる者です。 昨年やっと、私ども発案の新しい型の中性子干渉計=“多層膜冷中性子干渉計”の実証を果し(“多…計”が何物なのか?『数理科学』'96年2月号等御覧下さい,ここでは野暮は止しにします)、これからいよいよ応用実験に研究を推めていこうとあたふたしている所です。
“基礎物理”、と括った中には素粒子物理学の基礎に関わる基本的相互作用や対称性の研究もありますが、この研究を始めた動機は、中性子で干渉計、と来れば量子力学、それも観測問題、やっぱりこれでしょう。学部以来、というより、高校の物理の最後の方の“粒子と波動”のころから量子力学の不思議はずっと土踏まずに刺さったトゲでして、扁平足の私は人一倍不快に思い続けておりました。量子力学を使うのではなく、その基礎に疑ってかかる類いの実験をやりたいと、頭をひねっている次第です。