いちょう No. 99-21 00.2.24.

昨年新たに加入された、地球の町田さんからあいさつが届いています。なお、町田さんのホームページでは、地球の磁気圏などについての興味深い話題が初心者にもわかりやすく紹介されています。ちょっとのぞいて見られてはいかがでしょう? http://www-step.kugi.kyoto-u.ac.jp/~machida/Mag_sphere.html


太陽活動の極大期に

地球 町田 忍

皆さんはじめまして、町田 忍(まちだ しのぶ)と申します。所属は地球物理学教室の太陽惑星系電磁気学講座です。実は、京都大学に助教授として赴任して以来7年近くたちました。当初、組合への加入を勧められましたが、機会を逸して遅ればせながら今になって参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

私の仕事は、地球や惑星の磁気圏に関する研究です。地球は大きな磁石です。太陽からは、温度が高いために、イオンと電子がバラバラになったプラズマと呼ばれる状態の希薄なガス(太陽風)が、地球をめがけてやって来ます。実は、地球の磁石がその軌道を曲げて、有害な高いエネルギーの粒子からわれわれを守ってくれています。そんな所に、人工衛星が飛んでいって得たデータを解析したり、計算機を用いた数値シミュレーションなどで、その磁気圏の構造を理解しようとしています。今、特に関心があるのは、太陽の表面で起こるフレアーに似た地球の夜側の磁気圏で起こる現象です。その未知の仕組みを理解することに興味を持っています。この現象が起こると、地球の極地方では、オーロラの活動が活発になります。また、地球の磁気圏は太陽風によって吹き流されて、長くたなびく尾っぽをもっていますが、この尾っぽの中で爆発が起こり、大きなプラズマの塊が引きちぎれて太陽風と一緒に持ち運ばれます。その様なことが一日に約6回位の割合で起こっています。この現象は、太陽の活動度と関連があります。今年は、11年周期でやって来る太陽活動の極大期を迎えますから、地球の磁気圏も活動的になり、また、北海道でオーロラが見えたという様なことが起こるかも知れません。太陽活動は、また人類の社会活動にも大きく影響を及ぼしていると言われていますので、これから社会の活動度も大きく上向きに転じるのではないかと思っています。

その様な時に組合に加入させていただいたのを機に、新たに視野を広げて精進してゆきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


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