いちょう No. 97-14 97.11.13.

理学部に「国際交流室」があることは、意外に知られていません。今回の「いちょう」では、国際交流室の登谷さんに、最近の留学生事情について、ご寄稿願いました。


理学部国際交流室から初めまして

理学部国際交流室 登谷 美穂子

昨年4月に国際交流室が理学部に設置され、早くも一年と7ヶ月が過ぎました。皆さんに紙面でご挨拶するのはこれが初めてです。場所は理学部の正面玄関入ったところにあります。そのせいか、「**さんの研究室はどこですか。」とか「学生が迎えにきてくれる予定だったのだけど、誰もきていなかった。」とか言って、飛び込んでくる外国人が時々います。

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きょうは、理学部の留学生事情を書いてほしいといわれて書き出しているのですが、まだ最近のことしか解らないので、現状報告をします。京大には約1,000 名の外国人留学生がいます。そのうち理学部は現在63名(うち女性25%)です。圧倒的にアジアからの学生が多く(65%)、図に示すような国分布になっています。教室別に見ると地球物理学教室と動物教室が比較的多く(45%)、また研究所に多いのも特徴的です。学部の学生は2名だけで、後は全員大学院生です。そのせいか、留学生のいろいろな問題は、比較的、各研究室で対処されている場合が多く、国際交流室を訪ねてくる留学生は、就職先がないかとか、奨学金が切れるのだけど何かないかとか、お金を貸したけど返してくれないからなんとかしてほしいとか、即座に解決できないことが持ち込まれます。しかし、私も「就職先はここがいいよ」「奨学金はなんとかしましょう」というわけにはいかず、結局資料を渡したり、「この奨学金に応募してみたら」とかいうより手はありません。

国際交流室では、留学の問い合わせにたいして、各教室毎に、教室の専門分野構成と教員の論文リストをつけた案内書を作って送っています。これがどの程度役だっているのか知りたいのですが、まだ半年くらいしかたっていないのでよくわからない状態です。本当は、各教室で研究紹介を書いてほしいのですが、教員の雑用をこれ以上増やしたくないという気持ちもあって、論文タイトルの紹介に終わっています。

1983年に、時の総理大臣が留学生10万人計画をたて、その結果1994年に留学生は約54,000人にまで増加しました。けれども、その後のバブルの崩壊や、物価高に影響され、留学生は減少傾向にあります。また、日本に留学するためには、日本語の壁の高さもありますが、一度来日して入学試験を受けなければならないといった事情にも、減少の原因があるのではないかと考えられます。このことについて書くと長くなるので、初めましてはこの辺で終わります。


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