いちょう No. 97-32 98.5.28.

職組本部では職組結成50周年を記念して、さまざまな催しを行っています。先日5月9日(土)には、京大探検の第2弾(第1弾は熊取)として、霊長研・犬山ツアーが行われました。このツアーは大変な人気。定員オーバーでキャンセル待ちの列ができたとか。このツアーに参加された、経理掛の久保田さんから、一文が届いています。


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霊長類研究所・犬山城バスツアーに参加して

経理掛 久保田直子


5月9日(土)、組合結成50周年記念事業の一環として霊長類研究所へのバスツアーが企画された。この春、同じ経理掛より仲さんが異動されたこともあり、年長組の息子と共に参加させていただくことにした。

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午前8:30出発。総勢51人でのバスツアーとなった。事前学習として往きの車中で噂のアイちゃんのビデオを見せていただいた。NHKで放送されたものであったが、アイちイちゃんのすこぶる賢さにとても感動し驚いた。それは生まれながらの素質ではなく、大変な努力型で又、一度覚えたら忘れることがないとのこと。興味津々でそのビデオを見入っていた息子に横から思わず、「お猿さんとっても賢いナー。いつも努力してはるんやって!お猿さんに負けないように何でも諦めずに努力してがんばろな!!」と、ツッこんでしまう。

約3時間ほどで小高い所にあるお待ちかねの霊長類研究所に到着。霊長研の皆様に迎えていただき、その後会議室での昼食。昼食後3班に分かれて施設の案内をしていただく。


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理学部の私たちは1班で、三輪先生の案内を受けた。とても丁寧に優しく説明をして下さった。チンパンジー、日本ざる、赤毛ざる・・・放飼のもの、ケージ(檻)のもの・・・様々。

アイちゃんは特別扱いされていると思っていたが、学習(研究)時以外は他の仲間達と共に放飼されていた。アイちゃんだけでなく、チンパンジーは皆とても賢い。一度自分の名前を呼ばれるとすぐ反応し、指示に従う。その素直で従順な態度を息子にどうか見習っていただきたい限りである。

霊長類の中で、チンパンジーは一番人間に近い。寿命も平均60歳くらい。日本ざるは30歳くらい。それぞれの寿命は妊娠期間から大体割り出されるそうだ。ちなみにアイちゃんは順調で、この8月にご出産予定。今は出産シーズンで、他にも大きなお腹をしている母さるが沢山いた。目に映る霊長研のさる達は皆、のんびりとお過ごしの模様だ。「いいなー。」とても霊長研のさる達が羨ましく思えた。


原人の化石や、野生チンパンジーが使う道具も見せていただいた。その傍らに色々な行動をしているチンパンジーのスナップ写真があった。一番印象的だったのはホースとデッキブラシを上手に使って掃除しているチンパンジーだ。三輪先生いわく、毎日人間がしているのを見て勝手に覚えたそうだ。その学習能力に感心した。

松沢先生にお目にかかれた。又、松沢先生のご配慮で生まれたての日本ざるの赤ちゃんロデムくん♂を見せていただいた。どんな生物でも赤ちゃんはすごく可愛い。ロデムくんは柔らかいフワフワした毛で、大きな目をパチクリさせながら指をすっていた。

あっという間に霊長研を後にする時が来た。霊長研の方々と共に記念写真を撮った。小高い霊長類研究所の坂道をバスがゆっくりと降りる。霊長研の方々の姿が見えなくなるまで、一番後ろの席で息子と共に手を振った。

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次に向かうは犬山城。日本最古の城で、国宝に指定されている。低そうな天守閣に思えた。あがると階段はとても急で天守閣ゆえにやはり高かった。天守閣からの眺めは素晴らしい。霊長研も見えた。息子も上機嫌。でも、調子に乗りすぎて怪我でもしたら大変だ。注意を促すが、ハイテンションの彼の耳には入らない。チラッと霊長研のチンパンジーの姿が頭をよぎる。そして、松沢先生との会話を思い出す。―― 「賢くなるように檻に預けてもよろしいですか?」「(霊長類の子供だから)興味がありますね。いつでもどうぞ。・・・」 ――

ふもとにユラユラ流れる木曽川。遠くにそびえ立つ伊吹山。岐阜のような愛知県犬山市。このお城がお話しできるなら、どんな事から語ってくれるだろう。国宝の古城は何とも言えない雰囲気を味わせてくれた。そんな犬山城を出発し無事帰路につく。


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今回は簡単につくれない思い出ができてとても楽しかったです。そして、お調子者の息子にとっておきの切り札も得られて(息子には失礼だけど・・・)良かったです。今はレポートが書けてホッとしてます。


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