いちょう No. 95-9 95.11.16.

理学部支部では技官の専門行政職移行問題と定員外職員問題を中心に、12月5日に理学部長・事務長折衝を予定しています(先にお知らせした11月28日の予定が、学部長の都合でずれこみました)。 この問題の中で、定員外職員の運動は長い歴史を持つのですが、最近目立った動きがないこともあって、新しい組合員はもとより、古くからの組合員の中でも、問題の深刻さに対する認識が薄らいでいるように見えます。 そこで、今号と次号(11月21日発行予定)のいちょうでは、定員外職員部会の方々との共同編集の形で、定員外職員問題の特集を組むことにしました。 次号には、いろんな人たちからの200字メッセージも予定しています。


定員外職員問題の抜本的解決は定員化です!!

非常勤職員(特に日々雇用職員)とは?

本来は(表向きは)
「季節的・臨時的」に必要な場合に「一時しのぎ」的に採用される職員
のこと。

よく仕事の補佐役として非常勤職員を考える人たちがいます。しかし伝票の束を揃えたり、重い標本を運んだり、補助的な仕事をするのが非常勤職員ではありません。恒常的に補助的な業務に携わるなら、それは常勤の職員・定員のはずです。

ですから

任期は1日単位で日々更新する。

つまり日給制です。ですから常勤の職員と時間当たりの賃金がたとえ同じでも、年末年始・祝祭日は無給の扱いですし、病気をした場合の賃金の保障などで大きな差があります。

採用された年度内で任用予定期間は終わる。

臨時に雇うわけですから、年度にまたがって雇ってはなりません(年度内雇用原則)。 ところで理学部では20年以上勤続の日々雇用職員が大多数(13名中10名)です。 こうしたことが可能なのは20年以上の間、毎年3月30日退職、4月1日採用を繰り返しているからなのです。 このことは定員との待遇格差にすべての面で影を落としています。 特に、昇格(いつも初任給)や退職金の形ではね返ってきます。

ところで

なぜ「非常勤職員」ではなく「定員外職員」と呼ばれているのでしょうか?

定員外職員はけっして「季節的・臨時的」職員ではありません。 大学の教育・研究の充実を図るのに必要な定員が、定員削減で措置されないために、やむなく非常勤職員制度を援用して、「定員外職員」として雇用しているのです。 ですから理学部の日々雇用職員は、非常勤でありながら、定員と同じく恒常的業務を長期にわたって担っています。

 

定員と同じ位置付けなのになぜ定員になれないの?

それには定員外職員問題の歴史を振り返る必要があります

昭和36年、常勤的な非常勤職員の一掃が図られました。

今から30年近く前、昭和36年2月、非常勤職員の常勤化防止が内閣で閣議決定され、移行措置として翌昭和37年3月、それまでの非常勤職員を一斉に定員化しました。 この時、全国で 27,604 名、京大だけで 390 名が定員化されたといいます。 この時点で定員外職員の採用が止まれば、今日のような事態はなかったでしょう。 しかし定員外職員の採用はその後も続きました。 これには、昭和36年以前と同様、後で何とか定員にすることができるという、当局の判断があったものと思われます。

その後、なおも採用され続けた定員外職員については・・・

ポストの余裕がなくなりました

非常勤職員の常勤化防止を打ち出した後、政府は昭和39年9月から5年間の欠員不補充(欠員を原則として補充しない)、 さらに昭和44年から始まり、今の第8次に至る定員削減を行ってきました(28年間で行政職は京大全体で 1198 名、理学部で 96 名(内、欠員不補充分 11 名、定員削減 85 名))。 このため定員外職員の定員化に充てることのできるポストが少なくなってしまいました。

協議採用が難しくなりました

定員削減で定員化は難しくなったとはいえ、理学部では少ないポストを利用してなんとか5人の定員化が実現しました(当事70人ぐらいいた中の5人。定員化率7%!)。 しかし昭和60年以降、事務系の定員化は文部省はじめ京大当局も、公務員の試験制度を盾に難色を示し、理学部では定員化はまったく進んでいません。

それでも定員化はできる!
11月21日(火)12:15~ 支部BOX 多数の参加を

定員外職員の問題が表立って議論されることが少なくなり、そもそも定員外職員問題の存在を知らない人たちも増えてきました。 また困難の多い中、事情を知る人たちは、今ではほとんど定員化をあきらめているようにも見えます。 しかし大学の職務の特殊性や専門性を生かして工夫すれば定員化は実現可能です。

ここは大学院重点化をした大学ではないでしょうか。 また技官の専門行政職移行も、まもなく実現しようとしています。 もっとできることがあるはずです。

支部では来週11月21日、定員化を果たした法学部の経験の学習会を企画しています。 みなさん、大勢の参加を期待します。


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