いちょう No. 99-8 99.10.21.

10月19日(火) 11時から1時間にわたって、職組と総長の懇談会が開かれました。この懇談会には理学部からは、本部委員長の坂本さんと元支部書記長の太田さんが出席されています。太田さんからの懇談会の様子について、さっそくに一文をいただいています。


総長懇談会 出席記

宇宙 太田 耕司

独立行政法人化問題と第3キャンパス問題について懇談したが、主に前者に重点をおいていたので、前者について私見をまじえてごく簡単に報告する。

文部省の意向としては、平成12年の早い時期(恐らく来年4月頃)には、独立行政法人化するかしないか決心するはらづもりである(次の概算要求の関係でこの時期になるらしい)。そのためには、特例法をなるべく大学にあった形にもちこんでおきたい。それがどうしても不満足な結果なら、独立行政法人化しないという解もないわけではない、ということらしい。文部省も学長も、通則法による独立行政法人化はよくない、特例法で大学に適合した形で進めたいという意向のようである。

そもそも独立行政法人が大学のあるべき姿かどうかといった理念的な議論はないようで、はなから条件闘争の状況を呈している模様。また、文部省としては99大学全部独立行政法人化と考えているが、大学(学長)によっては、他の意見もあるもようで、積極的に法人化したいという方もおられるとか。対文部省だけでなく、国大協として行政改革推進本部に直接働きかけることもあるようだが、あまりこのような動きは活発ではないようである。

「教育は票田にならないという話を最近聞いたが、そういう意味では大学側の意見は政治家を動かすには力がなく、大学人だけでなく世間で大学の教育/研究の意義をみとめる風潮がなければ、なかなか大きな力にはならないなあ」という感想。この点で、坂本委員長から「遅まきながらも大学主催で独立行政法人化問題の説明会なりシンポなりを年内に開催して、学内だけでなく、学外にも意見を主張してはどうか」という提案には「賛成である」。学長も検討したいとのこと。

対学内での対応としては、設置形態検討会なるものが夏頃から始動しており、検討はしているが、まだ報告はないとのこと。どういう形であれ、京大構成員には早めに(かたまらないうちに)情報を流して議論なり意見をあげられるようにしておいて欲しいと要求。

これに関連して、大学審議会関連法で設置の決まった、運営諮問会議のことについてもたずねたところ、京大のことを親身になって考えてくれそうな人を選びたいとのこと(学内者はなれない)。現在は会の規則の検討を行っている段階だそうで、人選はこれから部局長に相談しながら決めたいとのことであった。人によって内容も変るような組織なので、慎重に決めていってほしい。


以上、限られた時間であったため、突っ込んだ話はあまりできなかったが、委員長がうまく進行してくれたおかげでかなり効率よく懇談が行えたのではないかと思われる。引き続き懇談/交渉を望むものである。


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