いちょう No. 99-9 99.10.28.

ポスドク調査まとまる

6月の学部長交渉で組合が要求していた、博士課程修了後の進路についての調査結果が10月7日まとまり、同日の主任会議でも報告されました。この調査は各教室に対し、今年7月1日現在での、各年度ごとの博士課程修了者の現況を問い合わせる形で行われました。それによると、昨年度修了者は、下図のような進路をたどっていることがわかります。かっては博士課程修了者で就職がままならない人=オーバードクター(OD)は研修員の道、あるいは海外のポスドクへの道を選んだわけですが、今日では学術振興会の特別研究員(PD)やCOE研究員といった方向へ流れていっているのが見て取れます。また学術振興会のPDFは、約2/3の22名が当理学研究科以外の所属になっていて、学術振興会のPDF採用にあたってのポリシーが反映されています。

POSDOC99

調査は平成6年度修了者まで遡って行われたのですが、「進路不明」が増えることもあり、経時変化を議論するのは難しいようです。かりにパーマネントのポストを得たものの情報が正確だとすると、5年前平成6年度修了者で現在定職についているものは4割。昨年度修了者の3割強が就職していることを考えると、最初の出だしで職にありつけないと、その後もなかなか職につけないということになります。「いちょう」では、政府の“ポスト「ポスドク1万人計画」”とも関わって、こうした問題について、少し詳しい特集を今年度中に組む予定です。

なおこの調査で「進路不明」の修了者が昨年度でさえ2割近く22名も出ています(この比率は修了年度を遡及するにつれ増え、平成6年度修了者では4割以上に達する)。このうち8名は教室から「不明」として出されているのですが、14名分は理学部の帳簿との不整合。このような基本的なデータさえ整備されていない現状は、博士課程の院生諸君に対する不誠実な対応として批判されてもやむをえないかもしれません。


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