いちょう No. 97-25 98.3.5.

ATM端末が配置されるなど、昨年の暮れから、電子図書館へ向けて作業が、われわれの目にも見える形で、進められてきています。この3月2日からは、Elsevierの出している学術雑誌の電子版に、附属図書のホームページからアクセスできるようになりました(もっともタイトル数は、いささかお寒い)。今動き出している図書システムについて、図書館部会の福山さんから一文を寄せていただいています。


(新)図書館システム稼働に思うこと

中央図書室 福山智恵

新(今や現)図書館システムが1998年1月から本稼働しています。とは言っても、業務システムの中にはまだ4月以降、6月以降完成の部分もあったり、一応動いているソフトでもまだまだ改善中だったりします。これに先だち、全学の図書系職員およそ1人当1台の端末が配布されました。システムの運用内容は図書室によって多少異なりますが、貸出し返却(インタ-ネットが利用できる端末から、24時間何時でもどこからでも、本の貸し出し状況がわかる)、目録入力、所蔵検索、等々の仕事に、端末は以前にもまして不可欠な道具になっています。雑誌の所蔵目録の更新なども、データベースを用いてできるようになるはずです。

このシステムはWindows95上で動いており、操作性は前の図書館システムとは異質です。すでにWindows95を使い慣れていた人は別として、一般的にはまずそのプラットフォームに慣れた上で図書業務の操作等を修得する必要があります。また、業務研修、受入体制等々理学部としても解決すべき問題がまだ多くありますが、システムが仕事の質・量の改善の助けとなるよう取り組むことが大切だと思っています。

どんなに上等の業務システムであっても、どの現場でもすぐ効果を発揮するというのは難しいのではないでしょうか。中央図書室はこの3月定員内職員1名の定年退職後、その補充は時間雇用職員1名の予定で、結果、図書掛と図書室を兼ねていながら定員内職員は掛長のみとなります。さらに理学部には、9つの教室、施設図書室がありますが、その多くは一人職場であり、その職員の大半は待遇の劣悪な非常勤職員です。それぞれひとつの図書室としての機能を果たすために、たった一人の職員が図書業務全般をカバ-しなければならない状態です。定削の大波が進行する中、理学部のどの図書室も「人」は洗い晒し状態です。無理して引っ張れば破れます。「人」の手当抜きのままでは、折角の有効なシステムも十分に機能せず、重荷になるのではないでしょうか。


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