いちょう No. 97-2 97.7.25.

庶務部長交渉報告

動植分会 山崎里美

7月23日(水)11:00~12:30ごろまで、時計台の大会議室で庶務部長交渉がありました。交渉項目は次の3点でした: ①他省庁職員との賃金格差是正、②定員削減の「上積」及び定員の「召し上げ」の中止、③年間総労働時間1800時間の実現。庶務部長はこの7月1日付で着任したばかりということもあり、交渉ではもっぱら人事課長が対応しました。

他省庁職員との賃金格差

大きな賃金格差のあることについては、職組と部長とで認識の一致を見ました。また「賃金格差が生じた原因は、60年代末から他省庁では掛長ポストなどではなく、いろんな種類の専門職員を導入する策に出たのに対し、文部省は旧態然とした対応に終始したことである」という組合側からの指摘に、部長・課長ともに反論できず、それを認めました(他では70%が専門職員になっている省庁もある)。そして今、遅れ馳せながら進めている、専門職員の導入についてしたり顔に説明しました。それによると、この間進められている「特定課」(=職制以外100%専門職員でもよいような課)の導入が、さらに進む(工学部の教務課なども来年あたり移行するらしい)ようです。そして専門職員のネタ探しに懸命なんだと説明しました。しかし、組合の要求する「39才以上250人が掛長、専門職員になれる規模」の人事概算については、従来からも“相当な規模の要求”をしていると、抽象的な返答に終始しました。組合からはさらに「他省庁では7級8級の要求をしていて、文部省はよそでいらなくなった5級6級のポストをいただいているのが実態だ」「男女間格差をどう考えるか」といった追求がありましたが、「虎ノ門のことはわからない」「私は女性の見方だ」などといった人を食った対応でした。

定員削減上積み

小杉文部大臣が大見得を切って約束した定員削減の上積分が17名(9次の定員削減は165名)きているようです。これについては、従来のように、単純に部局に振り分ける形での消化はしないことについて、説明がありました。つまり「事務の一元化と抱き合わせで来ている」というわけです。京大での「事務の一元化」の構想については、事務局内で検討中のようで、明らかにはされませんでしたが、できるだけ早く具体化したいとの意向のようです。

年間総労働時間1800時間の実現

この問題では、特に超過勤務の問題に議論が集中しました。年間総労働時間1800時間の実現には、残業は月に4時間程度に押さえる必要があります。人事課長は「私は超勤には力を入れていない」と発言し、大きな議論になりました。特に人事課長の「超勤費は生活給としての側面がある」といった主張には、「それは20年前の話だろう」「われわれの今の要求は、1万4千円よりゆっくり休みたいという事だ」といった批判が集中しました。また人事課長の「超勤をしっかりやると、ふだんの勤務評定が厳しくなる」といった脅しにも似た発言には、「それならやってもらおうじゃないか」という声が上がりました。最後に庶務部長が「事情はわかった。しかし超勤無しで、今の膨らんでいく仕事量がこなせない事も事実だ。」「今後もおおいに、建設的な対話は進めていきたい」と語って、交渉は終わりました。

交渉を終えて

10年前は「一掛に一主任」だとか「一教室一主任」しか配置出来ないと言ってきたが、今は違う。10年前の行政措置要求の運動もあってか、人事異動もほぼ平等に行われたてきたが、昇格で教室職員への格差や男女の格差が解消したとは思われない。労働省などは20年も前に男女区別なく昇格を勝ち取ってきた。「職場で女性の上司はごろごろいる」と聞いた事がある。最近事務次官に女性が発令され、進んでいると感じたのは私だけではないだろう。文部省の国立大学はどうだろう。まだ5級の昇格改善の交渉でやっている。この運動を少しピッチを上げなくてはと思いました。


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