温度定点

温度計や熱電対の較正を行うのに、標準温度計等を利用する以外に、 安定した温度を与える純物質の融点等を利用することができます。 ここでは1990年国際温度目盛 ITS-90 で与えられた温度定点、 よく利用される室温付近の温度定点を整理しておきます。

• １．1990 年国際温度目盛で与えられた定義定点
• ２．1990年国際温度目盛の２次定点
• ３．水和結晶の転移点

１．1990年国際温度目盛で与えられた定義定点defining fixed points（50 K以上）

以下はITS-90における定義点で、ITS-90の枠内では厳密な値になります。 たとえば純度の高いスズの融点を熱電対で測定するのは、 熱電対の較正であって、融点の決定ではないわけです。

*ガリウムは水同様、凝固にともない体積が増加するので融点が採用されています。

２．1990年国際温度目盛の２次定点 secondary reference points

国際度量衡局の諮問委員会のまとめた、 ITS-90の定義定点に準じる信頼のおける温度定点のリスト （R. E. Bedford et al, Metrologia, 33, 133 (1996)）から抜粋したものです。

*ジフェニルエーテル、**安息香酸

３．水和結晶の転移点

実験室的には、あまり精度を要しない場合、室温付近の温度定点として、 硫酸ナトリウムの水和結晶（芒硝）の転移点などがよく用いられます。