2022.11
吉村洋介
化学実験 資料編

排水基準

廃液処理は原点処理が原則で、 実験廃液の分別、中和処理等を行ってもらうわけですが、 最終段、環境への排出の段階での種々の物質の基準値を心得ておくことは重要です。 ここには京都市の下水への排水基準から、 学生実験に関係しそうなものについて抜粋しました(下水から河川・海洋に放出される段階での基準も、 法的に定められています)。 基準値の単位は pH 以外 mg/L になっています。

表 1.京都市の下水への排水基準(抜粋)
項目基準
水素イオン濃度pH5 を超え 9 未満環境項目等
窒素含有240 未満
リン含有量32 未満
銅及びその化合物3 以下
亜鉛及びその化合物2 以下
鉄及びその化合物(溶解性)10 以下
マンガン及びその化合物(溶解性)10 以下
クロム及びその化合物2 以下
ニッケル含有量2 以下
カドミウム及びその化合物0.05以下有毒物質
シアン化合物0.5 以下
有機燐化合物0.5 以下
鉛及びその化合物0.1 以下
六価クロム化合物0.25 以下
砒素及びその化合物0.1 以下
水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物*0.005 以下
アルキル水銀化合物検出されないこと
ポリ塩化ビフェニル0.003 以下
トリクロロエチレン0.3 以下
テトラクロロエチレン0.1 以下
ジクロロメタン0.2 以下
四塩化炭素0.02以下
1,2-ジクロロエタン0.04 以下
1,1-ジクロロエチレン1 以下
cis-1,2-ジクロロエチレン0.4 以下
1,1,1-トリクロロエタン3 以下
1,1,2-トリクロロエタン0.06 以下
1,3-ジクロロプロペン0.02 以下
ベンゼン0.1 以下
セレン及びその化合物0.1 以下
ほう素及びその化合物10 以下
ふつ素及びその化合物8 以下
1,4-ジオキサン0.5 以下
* ややこしい表現ですが、溶存形態を問わない水銀、「総水銀」ということです (環境省の表現がこうなっています)。

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