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☆次の化学式の式量を記せ:
Cu:
H2SO4:
HNO3:
KI:
Na2S2O3·5H2O:
Cu:63.55
H2SO4:98.08
HNO3:63.01
KI: 166.00
Na2S2O3·5H2O: 248.17
○洋白0.25 gを溶かすのに7 mol/L硝酸は何mL程度必要か(硝酸は二酸化窒素NO2まで還元されるものとする)? また硝酸塩をすべて硫酸塩にするのに 9 mol/L 硫酸は最低何mL程度必要か?
M + 4HNO3 → M(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O
0.25 g/60 g mol-1 = nHNO3/4
nHNO3 = 17 mmol
7 mol/L硝酸は 17 mmol/(7 mol/L) = 2.4 mL あれば十分。
0.25 g/(60 g mol-1) = nH2SO4
nH2SO4 = 4.2 mmol、
9 mol/L硫酸は 4.2 mmol/(9 mol/L) = 0.5 mL 必要。
○硫酸を加えて加熱濃縮する操作を省くと、銅の分析においてどのような不都合が生じるか?
亜硝酸等が存在するとヨウ化物イオンが酸化され、正の誤差が出る。
○酢酸緩衝溶液を加えないとどのような不都合が生じると考えられるか?
酸性が強いとチオン酸が分解して硫化物イオン等が生成し負の誤差が出る可能性がある。 また今回は可能性は低いが、pH が高いと、次亜ヨウ素酸などが関与して、 同様に負の誤差が出る可能性がある。
○洋白中の銅の含量を50 質量%とする。 洋白を精確に250 mgとり、テキストどおりにして調製した試料溶液10 mL中の銅(II)をヨウ化銅(I)にするには、 最低何mLのヨウ化カリウム溶液を加える必要があるか?
2Cu2+ + 4 I- → 2CuI + I2
という反応を想定すると、20 w/v %のヨウ化カリウム溶液が最低、
(0.25 g × 0.50/63.55 g mol-1) × (10 mL/100 mL)/2 = (x/166.00 g mol-1)/4
x = 0.07 g、0.07 g/(0.2 g mL -1) = 0.4 mL 必要
〇テキストに従って行った次の実験のデータから、試料洋白中の銅の質量百分率を求めよ。
試料溶液を調製するのに用いた洋白 236.0 mg。 標準物質として用いた硫酸銅五水塩 (CuSO4·5H2O)504.9 mg。 標定に要したハイポ溶液10.01 mL。 試料溶液の滴定に要したハイポ溶液10.21 mL。
試料溶液中の銅(II)の濃度を[Cu]とすると、
滴定に用いたハイポ溶液濃度[Na2S2O3]について次の関係が成立する
[Na2S2O3]/10.00 mL = [Cu]/10.21 mL = [(504.9 mg/249.7 g mol-1)/100 mL]/10.01 mL
したがって元の試料には
[Cu]×100 mL× 63.55 g mol-1/236.0 mg = 0.555
55.5 %の銅が含まれていたことになる。
○洋白中の銅の含量を50 質量%として、試料溶液10 mLから生成するヨウ化銅(I)の沈殿を溶解させるのに、 最低何gのハイポが必要か。 銅(I)はチオ硫酸イオンと[Cu(S2O3)2]3-という錯イオンを作るものとする。
(0.25 g×0.50/63.55 g mol-1) /100 mL×10 mL = (x/248.18 g mol-1)/2
ハイポは少なくとも x = 0.1 g 必要。