λ / nm | A | B | Y |
430 | 0.780 | 0.194 | 0.227 |
455 | 0.059 | 0.358 | 0.061 |
615 | 0.116 | 0.027 | 0.040 |
644 | 0.108 | 0.096 | 0.040 |
662 | 0.603 | 0.018 | 0.152 |
6.【16年度試験問題から】ホウレン草からクロロフィルを抽出し、 カラムクロマトグラフィーでクロロフィルa(Chl a)とクロロフィルb(Chl b)が溶離してくる分画ごとの吸収スペクトルをとった。 表にまとめたのは、ほぼ純粋なChl aを含む分画Aとほぼ純粋なChl bを含む分画B、 そしてそのその中間の分画Yのいくつかの波長 λ における吸光度の値である。 Yの波長 λ における吸光度 Y(λ) が、Aの吸光度 A(λ) とBの吸光度 B(λ) を用いて
Y(λ) = a A(λ) + b B(λ)
と表され、各波長における吸光度の標準偏差はほぼ一定であるとし、最小2乗法の取り扱いにならって、残差2乗和
S = Σ [Y(λ) - a A(λ) - b B(λ)]2
が最も小さくなるように係数a、bを定めることを考える。ここで Σ はすべての波長データについての和を取るものとする。
6-1.Spq = Σ p(λ) q(λ) として、 a と b を SAA、SAB、SBB、SAY、SBYを用いて表せ。
6-2.表のデータを用いてaとbを求めよ。
残差2乗和の a と b についての正規方程式は
\[ \frac{\partial S}{\partial a} = 2 \sum_\lambda {[Y(λ) A(λ) - a A(λ)^2 - b B(λ) A(λ)]} = 0\\ \frac{\partial S}{\partial b} = 2 \sum_\lambda {[Y(λ) B(λ) - a A(λ) B(λ) - b B(λ)^2 ]} = 0\\ \]
より、整理すると
\[ \left( \begin{array}{cc} S_{AA} & S_{AB} \\ S_{AB} & S_{BB} \end{array} \right) \left( \begin{array}{c} a\\ b \end{array} \right) = \left( \begin{array}{c} S_{AY}\\ S_{BY} \end{array} \right) \]
したがって
\[ \left( \begin{array}{c} a\\ b \end{array} \right) = \frac{1}{S_{AA} S_{BB} - S_{AB}^2} \left( \begin{array}{cc} S_{BB} & -S_{AB} \\ -S_{AB} & S_{AA} \end{array} \right) \left( \begin{array}{c} S_{AY}\\ S_{BY} \end{array} \right) = \frac{1}{S_{AA} S_{BB} - S_{AB}^2} \left( \begin{array}{c} S_{BB} S_{AY} - S_{AB} S_{BY}\\ -S_{AB} S_{AY} + S_{AA} S_{BY} \end{array} \right) \]
実際に表の数値から計算すると
a = 0.255
b = 0.133