2020.4
吉村洋介
化学実験法II 問題集 統計・検定・不確かさ 解説

問 13

13.[2017 年度の問題] K大学の優秀な学生たちは、簡易屈折率計PAL-RIを用いた混合溶液の濃度決定にここ数年取り組み、 濃度を知らされていない覆面試料の濃度決定を行っている。 溶液はシクロヘキサン-トルエン混合溶液で、その濃度 x %に対し、2015 年度と2016 年度の結果は下表のとおりであったという。

調製濃度/%測定チーム数標本平均標本標準偏差
2015年度66.392566.751.59
2016年度34.451833.392.11

13-1.2015年度、2016年度それぞれについて、簡易屈折率計で決めた濃度が、真の濃度(調製濃度)と一致すると考えてよいかどうかを有意水準5%で判定せよ。

13-2.2015年度と2016年度で、学生の結果のばらつきが異なっていると見なせるか有意水準5%で判定せよ。


解答例

13-1

t 検定を行う。

15年度については

\[ z = \frac{66.39 - 66.75}{1.59/\sqrt{25}} = 1.132 \]

\(t(24, 0.05) = 2.06\)(excel では T.INV.2T(0.05, 24))なので、有意水準5%で15年度は一致すると考えられなくはない。

16年度は

\[ z = \frac{34.45 - 33.39}{2.11/\sqrt{18}} = 2.131 \]

\(t(17, 0.05) = 2.11\)(T.INV.2T(0.05, 17))なので、有意水準5%で16年度は一致すると考えられない。。


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