2020.4
吉村洋介
化学実験法II 問題集 統計・検定・不確かさ 解説

問 18

18.物体 Q1、Q2、Q3 の重さ m1、m2、m3 を天秤で測定する。 天秤の測定値のばらつき δ の平均は 0 で標準偏差は σ であるとする。

この時、物体 Q1、Q2、Q3 を2つずつ同時にとって、 3回の秤量で下記3種類の秤量値 w1、w2、w3 を得たとしよう(δ は測定の際のばらつき)。

w1 = m1 + m2 + δ1
w2 = m2 + m3 + δ2
w3 = m3 + m1 + δ3

w1、w2、w3 から m1、m2、m3 を m1 = (w1 + w3 - w2)/2といった関係式で得るとしたとき、 得られるm1(あるいは m2 または m3)の測定値の標準偏差はいくらになるか?


解答例

18

m1 = (w1 + w3 - w2)/2 であるので

\[ \langle \langle m_1^2 \rangle \rangle = \left \langle \left \langle \left( \frac{w_1 + w_3 - w_2}{2} \right)^2 \right \rangle \right \rangle = \frac{1}{4} \langle \langle w_1^2 + w_2^2 + w_3^2 \rangle \rangle = \frac{3}{4} \sigma^2 \]

m2、 m3 についても同様で、 得られる重さの標準偏差は \(\sqrt{3}\) σ/2 になる。


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