2.厚さ2.0 mmのステンレスの板の上に厚さ1.5 mmのガラス板を密着して重ねて置いた。 ステンレス板の下面を200 °Cに、ガラス板の上面を100 °Cに保ったとすると、 定常状態でステンレスとガラスの接触面の温度は何°Cになるか? またステンレスの板とガラス板の間に厚さ 0.1 mmの紙を差し込んだとすると、 紙の上下面の温度差は何°Cになるか? ステンレス、ガラス、紙の熱伝導度をそれぞれ 16、1.2、0.06 W m-1 K-1 であるものとする。
ステンレス板の熱伝達率を hs、ガラス板の熱伝達率を hg とする。 定常状態なので熱流束 J は一定で、ステンレス板とガラス板の接触面の温度を TX °Cとすると
J = hg (TX - 100) = hg (200 - TX)
より
TX = (200 hs + 100 hg)/(hs + hg)
ところで熱伝達率は熱伝導を用いて次のようになる:
hs = 16 W m-1 K-1/2.0 mm = 8.0 kW m-2 K-1
hg = 1.2 W m-1 K-1/1.5 mm = 0.8 kW m-2 K-1
したがって接触面の温度は TX °C = 191 °C。
紙を挟んだ場合、紙の熱伝達率を hp、ガラス板と紙の接触面の温度を TX °C、 ステンレス板と紙の接触面の温度を TY °C とすると、熱流束 J について次式が成り立つ:
J = hg (TX - 100) = hp (TY - TX) = hs (200 - TY)
したがって
(hg-1 + hp-1 + hs-1) J = 200 -100 = 100
紙の熱伝達率は hp = 0.06 W m-1 K-1/0.1 mm = 0.6 kW m-2 K-1 なので J = 33 W m-2。したがって
TY - TX = J / hp = 55
より、紙の上下面の温度差は55 °C。