2020.4
吉村洋介
化学実験法II 問題集 輸送現象 解説

問 4

4.プロパンC3H8の燃焼について次の問いに答えよ。

4-1.プロパンを燃焼させ完全に二酸化炭素と水にするには、 プロパンと空気の体積比をいくら以上にする必要があるか?空気中の酸素のモル分率を0.2とする。

4-2.プロパンと空気の混合ガスの密度 1.2 kg m-3、熱容量1.0 J g-1 K-1、 燃焼ガスの熱伝導度を0.024 W m-1 K-1とする。 混合ガスの点火温度を550 °C、生成する燃焼ガスの温度が1900 °C、燃焼領域の幅が 0.20 mmとして、 マラール・ルシャトリエの式を用いて20 °Cのプロパン-空気混合ガスの燃焼速度を計算せよ。


解答例

4-1.

プロパンの完全燃焼反応は

C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O

C3H8: O2 = 1:5 で反応するので、 空気との混合の場合には 1 : (5/0.2) = 1 : 25 で完全燃焼することになる。

4-2.

単位体積当たりの熱容量 \(C^{*}\) が、単位質量当たりの熱容量に密度をかけたものになることに注意して、マラール・ルシャトリエの式に代入すると

\[ S = \frac{k}{C^{*}} \frac{T_{\rm{b}} - T_{\rm{ig}}}{T_{\rm{ig}} - T_{\rm{u}}} \frac{1}{x}\\ \rm{ = \frac{0.024~ W~ m^{-1}~ K^{-1}}{1.0~ J~ g^{-1}~ K^{-1} \times 1.2~ kg~ m^{-3}} \frac{1900 - 550}{550 - 20} \frac{1}{0.2~ mm}\\ = 0.25 m/s } \]


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