2020.4
吉村洋介
化学実験法II 問題集 輸送現象 解説

問 18

18.大きな黒体の板AとBを平行に対向させて置き、Aの温度を420 K、Bの温度を380 Kに保った。

18-1.AからBに1 m2あたり1 s間に輻射熱で何 J の熱が移動することになるか。 ステファン-ボルツマン定数σ を 6 × 10-8 W m-2 K-4とする。

18-2.AとBを420 Kと380 Kに保ったまま、黒体の板をもう1枚AとBの間に平行に挿入したとする。 この時、定常状態においてAからBに1 m2 あたり1 s間に輻射熱で何 J 移動することになるか。 また2枚入れた時にはどうか?


18-1.

ステファン-ボルツマンの式から

J = σ (TA4 - TB4) ~ 4 Tm3 (TA - TB) = 4 × (6 × 10-8 W m-2 K-4)×(400 K)3×(420 K - 380 K) = 600 W m-2

18-2.

挿入した板をX、温度をTXとし、熱流束の釣り合いを考えると

J(A→X) = σ (TA4 - TX4) = J(X→B) = σ (TX4 - TB4)

したがって

J = J(A→X) = (σ/2)(TA4 - TB4) = 300 W m-2


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