人事院は去る4月24日、調整手当の具体的な見直し対象地域を提示しました。
人事院が2月に示した指標を単純に適用すると、多くの地域で賃金の切り下げが行われる所でしたが、運動のかいあって(前号堤さんの記事 参照)、人事院側の言によれば
「各省庁の人事管理に与える影響等、関係者の意見にも配慮して」
特例が設けられ、見直し地域から京都などははずれ、現在調整手当が支給されている京大の関係地域については、従前どおりの支給が行われる公算となりました。
人事院は「4月上旬見直し地域提示、5月上旬に支給地域確定」というスケジュールを公言してきました。
これに対し、戦後初めての賃下げとなった昨年度に続いて調整手当の切り下げを行うことには、各省庁から強い反対の声が起こり、その中でスケジュールはずれ込み、見直し地域を大幅に削り込まざるをえない所まで人事院は追い込まれたと言えましょう。最終の支給地域の確定まで、油断は禁物ですが、さらに一押し、今回の提示で引き下げが示された大阪の堺・柏原や和歌山市などについても「見直し」を撤回させるところまで押し込みましょう!
なお今回の人事院の提示でも、京都など10%以下の地域についての調整手当の基準(賃金・物価・生活水準のデータから決まる)は示されたものの、「なぜ東京は12%なのか?」という明白な根拠は依然として示されませんでした。これでは地方にはおぞましい数字を突きつけて脅しをかける一方で、お膝元には甘い対応と言われてもやむをえないでしょう。
4月24日の人事院の提案内容は次のようなものです:
②①を原則としつつ、各省庁の人事管理に与える影響等関係者の意見にも配慮して、次のような特例を設ける。
現在正規の支給地域に位置付けられている10%、6%地域については、支給基準を満たさない地域のうち、現行の支給割合と地域の実情が著しく乖離していると認められる地域(具体的には、1段階下の支給基準を満たさない地域)について、支給割合を1段階引き下げる。
現在正規の支給地域に位置付けられている3%地域については、支給基準を満たさない地域のうち、賃金・物価・生計費の何れかが101.5以上の地域は、当分の間、暫定的に調整手当を支給する地域として位置づける。
平成4年に見直しを行った経過措置期間中の地域については、見直しを行わない。
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以上の考えに基づく見直し対象地域は
○10% → 6% とする地域(大阪府下狙い撃ち)
堺市、岸和田市、池田市、八尾市、寝屋川市、東大阪市
○ 6% → 3% とする地域
北九州市、福岡市
○ 3% → 0% とする地域
札幌市、小樽市、静岡市、熱海市、伊東市、柏原市、姫路市、明石市、和歌山市、岡山市、下関市、久留米市、飯塚市、長崎市