＜概要＞

鉄(II)は、1,10-フェナントロリンと図8-1に示すような吸収スペクトルを示す赤褐色の錯体を生成する。 ここではまず鉄(II)フェナントロリン錯体について較正溶液・検量線を作成した後、 温泉水中の鉄の定量を行うことで比色法及び吸光光度法による定量操作の基礎を実習する。 ついで温泉水中の鉄の定量を行った残液にオキシン（8-キノリノール）を加え、 アルミニウムのオキシン塩を有機溶媒に抽出することでアルミニウムの定量を行う、少し進んだ手法に触れる。

＜試薬：いずれも用意してあるものを用いる＞

1. 塩酸（6 mol/L）
2. 酢酸アンモニウム緩衝溶液：
   酢酸アンモニウム50 gを水に溶かして100 mLにする。
3. 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液：
   塩化ヒドロキシルアンモニウム 2.5 gを水に溶かして25 mLにする。
4. 1,10-フェナントロリン溶液：
   1,10-フェナントロリン一水和物（C₁₂H₈N₂·H₂O、式量198.22）1.1 gをエタノール100 mLに溶かし、水を加えて1 Lにする。
5. 鉄標準溶液( 10 µg/mL)：
   モール塩（硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物Fe(NH₃)₂(SO₄)₂·6H₂O、式量 392.13） 70.2 mg を水に溶かし、6 mol/L塩酸を20 mL加えた後、水を加えて混合し全量を1 Lにする。
6. アルミニウム標準溶液( 10 µg/mL)：
   カリミョウバン（硫酸カリウムアルミニウム十二水和物KAl(SO₄)₂·12H₂O、式量474.37）175.8 mgを水に溶かし、 6 mol/L塩酸を20 mL加えた後、水を加えて混合し全量を1 Lにする。
7. オキシン溶液（1 %）：
   オキシン（8-キノリノールC₉H₇NO、式量145.16）2 gを酢酸5 mLに溶かし、水を加えて200 mLにする。
8. 酢酸エチル