2020.10
吉村洋介

1.反応速度

化学反応速度の測定は、化学反応に対する理解を進めるうえで最も基本的な情報を与えるものといえよう。 本課題では液相での均一相反応に注目する形で、光吸収・電気伝導度などの時間変化を測定し、系に応じた反応機構モデルの検証および反応速度定数の決定を行う。取り扱う課題は次の2つである:

得られた結果は用意してあるシートに記入、関連するファイルとともに提出する。 書式の整ったレポートは、いずれか1つについて提出すれば十分である。興味のあるものは

にも取り組んでみよ。レポート提出は義務として課さないが、教育的内容であるので実験に取り組んで結果をシートに記入、関連するファイルとともに提出することを推奨する。

反応速度定数の温度依存性は後出のアレニウス Arrheniusの式 k = A exp(-Ea/RT)でおおむね表現することができる。 アレニウスの式に基づくと、温度変化 ΔT にともなう速度定数の変動の度合い Δk/k は、 Δk/k = (Ea/RT) (ΔT/T)で評価できる。 通常室温付近で観測する化学反応の活性化エネルギーはおよそ100 kJ/mol 程度の値をとるので、 速度定数を 1 %の精度で決めようとすると、 温度の変動は 0.1 K 程度以内に収める必要がある。 しかし今回のように速度則の大まかなプロフィルに関する議論では、 実験中の温度変化が 1~2 K に収まっておれば十分である。

  1. B.塩化t-ブチルの加水分解反応
  2. C.酸性条件下でのアセトンとヨウ素の反応

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