last revised 2021.3. / 2020.5
吉村洋介

6 相間平衡を利用した物質分離

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物質を分離・精製する上で、種々の相間の分配平衡を利用する手法が広く用いられている。 ここでは気液の相間平衡を利用する蒸留操作と、固液・液液の相間平衡を利用するクロマトグラフィーについて、 相間の分配平衡を用いた分離法の原理と手法について実習する。 また蒸留プロセスやクロマトグラフィーの設計にあたっては、種々の非線形方程式を扱う必要が生まれるが、 そうした計算の一端にも触れる。実験は2人1組で行う。

注意:この課題では可燃性の有機溶媒を多用するので、実験机でのバーナー等の使用は禁止。

  1. 屈折率計による濃度の決定
  2. シクロヘキサン-トルエン混合液体の蒸留
  3. シクロヘキサン-2-プロパノール混合液体の蒸留
  4. クロマトグラフィーによる異性体の分離

2010年から新たに蒸留やクロマトグラフィーを取り扱う実験課題を新設しました。 これはアカデミックカレンダーの変更の流れを受け、 実施期間が1週増えたことに対応したものです (後期については、物理化学・物性化学実験に「準備実験」が導入されました)。

かつて(1996年まで)、基礎物理化学実験(A2実験とよんでいました)が、前期に6週程度実施されていました。 それが解体された後、実験で何か問題が起きた時に、 そもそもの原理に立ち返って対処する、考えるというスタンスが弱まっていることを感じていました。 そこで小学校でも習う蒸留・分留操作、クロマトグラフィーを題材に、 いろいろ考えてもらう機会を作ろうと考えた次第です。


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